カテゴリー別アーカイブ: 栃木県H邸リフォーム

左官壁と大谷石床が仕上がった土間

栃木県H邸リフォーム-5

仕上工事も進んできました。フローリングと大谷石の床を張り終えて、小上りの床も畳を敷ける状態になりました。だんだんと細かい部分も作られています。

猫を抱く建築家の遠山

猫を抱く建築家の遠山

さて、現場には猫が二匹います。お施主さんが飼っている猫が、現場を自由にウロチョロしています。一匹はまだ幼なさが残るとても人懐こい子です。必ず現場に入って来た人の足元にすり寄ります。現場監督さんが言うには、現場のマスコットとして職人さんたちに可愛がられているとのこと。私たちが打合せをしているときも、いつの間にか話の輪の中に入っている感じです。

打合せ中は図面に乗る猫

打合せ中は図面に乗る猫

小上りの文机の仕上がりを確認中

小上りの文机の仕上がりを確認中

毎日の現場パトロールも熱心なものです。自分の家が他人の手でどんどん姿を変えていくわけですから、猫にしたらあちこち気になるのは当然のことだろうと思います。もう一匹の猫は大人のせいか、皆の足元にすり寄ってくることはないのですが、話しかけるとかわいい声で返事をしてくれます。この子は、現場が終わる夕方までは、ほとんど人の目につかないところで寝て過ごしているようです。たまに現場に顔を出すときには、職人さんたちにかわいがられているみたいです。

夕方になると顔を出すお姉さん猫

夕方になると顔を出すお姉さん猫

H邸にはこの猫たちのための場所をいくつかつくります。
小上りのあるリビングダイニングには、天井近くに猫の散歩道をつくりました。造り付けた机やカウンターを踏み台にして、そこに続く猫用の階段を上がった先に散歩道があります。

現場監督と猫階段を降りる猫

現場監督と猫階段を降りる猫

爪とぎ場所を兼ねた猫の登り棒も、猫の散歩道までのルートになります。

猫の登り棒と階段と散歩道

猫の登り棒と階段と散歩道

大きな本棚を壁一面につくる部屋があるのですが、この本棚にも猫の居場所があります。高い位置も本棚として使えるように、本棚の下のほうが階段状になっているのですが、ここは猫が上がって過ごす場所としても考えています。

本棚で過ごす猫

本棚で過ごす猫

猫たちは、家の外と中を自由に行き来しています。猫の出入りにともなって家の冷暖房効率をおとさないように、猫用の出入り口にもちょっとした工夫をしました。
私達が設計したこの空間で、猫たちも楽しく過ごせると良いなあと思います。

福島

リビングと土間

栃木県H邸リフォーム-4

仕上げ工事に入っています。H邸の仕上げは、出来るだけ自然素材を使うようにしています。自然素材が体に優しいのはもちろんの事として、その質感を活かしたデザインはとても良い雰囲気をつくります。

増築部分

増築部分

どのような自然素材にするかは、お施主さんの好みや要望をうかがって決めています。リフォームを計画するにあたって、「既存の家が持つ雰囲気を活かしたデザインにしたい」という要望がはじめにありました。特に外観は既存のイメージを大切にしたいというお話です。玄関わきに一坪ほどの増築をして土間スペースを設けたので、外観も少し既存の家とは変わります。増築部分は、できるだけ主張を抑えながらやさしい印象のデザインにしました。

大谷石

大谷石

インテリアには土地柄を感じさせるような素材を入れたいというお話だったので、土間スペースの床は大谷石にしました。

カラマツフローリング

カラマツフローリング

木材は国産材にしたいという要望もありました。という事で、床材には唐松フローリングを提案しました。既存の家が持つ和風の雰囲気にも合うと思います。足ざわりも柔らかく暖かい感触です。

左官壁コテ仕上げ試し塗り

左官壁コテ仕上げ試し塗り

壁には左官材のコテ仕上げをおすすめしました。少しコテむらを抑えた感じの左官壁は光をやわらく反射して、部屋全体をやさしい雰囲気にします。

羽目板天井

羽目板天井

天井は米ツガと左官材のコテ仕上げを使い分けています。リビングダイニングにあたる部屋の天井は、米ツガ羽目板です。その空間につながる土間の天井は、米ツガを使った竿縁天井による掛込天井になります。他の部屋の天井は左官材のコテ仕上げです。

掛込天井

掛込天井

いくつもの自然素材をバランス良くデザインに活かせるように、私たちはあれこれと検討を重ねてきました。これからリビングダイニングに畳や障子が入ります。土間にはカラマツストーブも入ります。だんだんと良い空間になっていくのが楽しみです。
体に優しくて雰囲気も良く、気持ち良く過ごせる空間になると思います。

福島

解体後の床下

栃木県H邸リフォーム-3

解体が進むと、既存家屋の状態を再確認します。
基礎、土台、柱、梁、小屋組など、目視や触診で健全な状態かどうか判断していきます。
古い家のリフォームでは、特に床下が痛んでいる事が多いと思います。この家も土台に何カ所か傷んでいるところがありました。しかも柱と接する部分で、柱と土台が共に傷んでいました。傷んだ箇所は新しいものに入れ替えたいところです。しかし、家の部分リフォームで柱ごと土台を入れ替えるのは技術的にもコスト的にも現実的ではない事が多いと言えます。今回は柱と土台の傷んだところを削って、古い柱に新しい柱をそわせて補強することにしました。

3傷んだ土台と柱

傷んだ土台と柱

さて、一体なんで土台や柱が傷んだのか、それを知ることが大切です。原因が分からずにただ補修や補強をしても、また同じように傷む可能性があります。工務店さんとあれこれと原因を探り、痛みの理由はいくつか突き止められたように思います。傷んだ箇所付近で、雨水が侵入した痕跡を見つけました。木材が定期的に濡れて腐ってしまったと思われます。これに対して、雨水の侵入経路を塞ぐ対策をとりました。他には白蟻の侵入経路らしきものを見つけました。基礎に割れた部分があり、その割れが傷んだ土台まで続いていました。傷んだところの状態は、白蟻に喰われた見た目をしています。これらを踏まえて、補修した柱と土台に、さらに周辺部材の出来る限り広範囲に、防腐防蟻剤を塗ることにしました。

 

福島

2解体-1

栃木県H邸リフォーム-2

H邸のリフォーム部分解体が進み、柱や梁や小屋組が見えてきました。
この家は、山あいにあるのんびりとした美しい風景の中に建っています。40年ほど前に地域の職人さんたちによって建てられました。
それほど古くはないわけですが、建て方は古いといえます。特に小屋組などは古民家のようで、懐かしさをおぼえるくらいです。

2近隣風景

近隣の風景

 

2既存外観

既存家屋の佇まい

お施主さんによると、H邸に使われている木材は、所有する山から切り出してきたものだそうです。解体した状態を見ると、全ての材が大きくて素直な印象です。中には先代の家から転用したと思われるかなり古い木材も見受けられます。
小屋組をアラワシにすると味のある良い雰囲気をつくれるかもしれません。いろいろと可能性を考えたのですが、「リフォームの間取りと既存小屋組み位置のバランスがそれほど良くない」「コストがかかる」などの判断をして、アラワシとはしないことにしました。

2解体-2

既存家屋の小屋組み

どうしても部分的に傷んだ箇所はあるものですが、全体的には単純明快で素直な良い架構の家だと思います。

 

福島

プレゼン時の手描きパース

栃木県H邸リフォーム-1

栃木県で工事が進んでいる、リフォームのイメージパースです。築約40年の木造日本家屋を、お施主様の今とこれからの暮らしに合わせてリフォームします。居間に小上りの畳スペースを設け、カラマツストーブを置く土間は栃木県らしく大谷石を使います。二匹の同居猫のための仕掛けも色々とあります。

以前はCGパースをお施主様へのプレゼンに使っていましたが、最近は手描きです。鉛筆と色鉛筆の素朴な絵ですが、意外に好評です。

遠山