月別アーカイブ: 2016年6月

H邸リフォーム現場追記-1(ウッドデッキ階段)

松戸市H邸リフォームは引渡しがすみ、内覧会も無事終わりましたが、ブログに書ききれなかった工事中のことをいくつか振り返って書いてみたいと思います。

ウッドデッキの階段製作中のお話です。

階段を造っているところ

階段を造っているところ

ウッドデッキは庭のコンクリート床部分から約51cm高くなっており、庭から昇り降りしやすいように3段の階段を付けます。

当初の予定では高さ60cmだったのですが、解体してみてわかった既存の排水桝や配管との関係でコンクリート床面が予定より高くなってしまい、高さは51cmとなりました。リフォームの場合、このように現場で寸法などが変わってしまうことが多くあります。

そのため階段の納まりも、現場でウッドデッキ下部の部材寸法を見ながら、大工さんと相談して進めました。

最初の案のスケッチ。これだと少し段板の支え方が不安定に思えました。金物も多く必要になってしまいます。

最初の案のスケッチ。これだと少し段板の支え方が不安定に思えました。金物も多く必要になってしまいます。

最終的にはこのスケッチを元に、大工さんに造ってもらいました。

最終的にはこのスケッチを元に、大工さんに造ってもらいました。

 

こちらが完成した階段です。

一段目が地面と近いため支え方に悩みましたが、なかなか納まり良く出来ました。

裏からみたところ

裏からみたところ

完成した階段

完成した階段

スケッチと少し変えて大工さんが工夫してくれた部分、一段目の支えと二段目の支えが接しているので、構造的にしっかりと段板の荷重を支えてくれます。

ウッドデッキの階段は多種多様な形状がありますが、これはちょっと独特な、他にはない格好良いものになったと思います。

遠山

 

 

江戸川区K邸-6(上棟)

梅雨の晴れ間の上棟です。

木造軸組(柱や梁など)の材料は、プレカット工場とよばれる木材の加工場で、半日かからずに家一軒分が加工されます。加工した材料は、現場に搬入しておよそ一日で家の形に組み上げられます。

仮設足場の上から軸組材料を搬入

仮設足場の上から軸組材料を搬入

上棟にいたる木造軸組の施工方法は、‘建物形状’や‘敷地条件(形や接道)’等によって異なります。K邸の場合は、前日までに‘完成した基礎への土台設置’と‘仮設足場の組み立て’を終えて、上棟日を迎えました。当日の作業は少し大きめのクレーン車をつかって、仮設足場の上から一階の軸組み材料を吊り降ろして基礎の上に搬入するところからはじめます。

搬入した材料で一階柱と二階床梁を組み上げて、水平垂直をしっかりと測定して軸組の歪みを補正します。きちんとした水平垂直を維持するために仮の筋交を入れて建物の動きをとめてから、金物と二階床下地合板を施工して軸組の形を固定します。次に、二階の軸組材料を二階の床下地の上に搬入します。二階の軸組を組み上げて、歪みを補正して、金物と屋上階床下地合板の施工で軸組の形を固定して、上棟です。

単純な作業に見えますが、K邸にはいくつか独特の配慮をしなければならない点があり、よりいっそうの緊張感をもって作業に臨む必要があります。

一階の床仕上げを基礎スラブのすぐ上に張る(床下が無い)都合上、部屋内については基礎スラブの上に土台を設置します。そうなると、基礎スラブの‘高さ’や‘水平’や‘平滑性’の精度がとても大切になります。これらの精度をだすために、基礎スラブの上にセルフレベリング材(高い流動性で自己水平性をもつ材)を流して出来るだけ平らな床下地を設けるようにしています。それでも屋外でセルフレベリング材を使用してみると、場所によっては3mmほどの不陸(高低差)が生じてしまいます。これが土台を介して一階柱の長さに影響してきます。現場で微調整をしながら、柱を設計図よりも3mmほど短く刻まなくてはならないところがありました。

基礎スラブに設置した土台の上に組み上がる軸組

基礎スラブに設置した土台の上に組み上がる軸組

部屋の中に柱が出てくる‘独立柱’や‘真壁’の部分もあり、ここにはきれいに表面仕上げをした材を用いるので、上棟の作業で手や足の跡が付いて汚れないように気を使いながら作業をします。内部空間の印象を決める‘ツーバイテン材のアラワシ梁’についても、汚れないようにするのはもちろん、幅38mmと繊細な梁ゆえに釘の打ち方や他の梁への打ち込みでより丁寧な作業がもとめられます。

アラワシ天井になるツーバイテンの梁

アラワシ天井になるツーバイテンの梁

梅雨の初めの上棟ゆえに、雨対策も必要です。十分に乾燥された柱や梁は、少し濡れてもきちんと乾くと言われています。しかし、床下地に使われる合板が濡れてしまうと、きちんと乾かずに傷んでしまう事があります。私たちの現場監理では、特に床下地合板は濡れないように現場を進めています。現場監督さんと相談をしたところ、軸組の周りを養生シートで覆い、仮設足場に屋根を設ける事になりました。

屋根付き仮設足場で雨養生

屋根付き仮設足場で雨養生

上棟してみると、K邸の特徴である‘シンプルで明快な空間構成’と‘軸組を活かしたデザイン’がすでにはっきり感じられました。この空間が素材感をまとうのが楽しみです。

福島

上棟した軸組

上棟した軸組

 

「松戸市H邸リフォーム」を作品ページに追加しました

先日お引き渡し、内覧会を行った「松戸市H邸リフォーム」を、私達のホームページの「作品」ページに追加しました。

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“竣工したての写真”と“家具が入った写真”のどちらもアップしています。写真の整理が出来たら、新しい写真を追加していく予定です。

ぜひご覧になってください。

遠山

「松戸市H邸リフォーム」楽しい内覧会でした

6月4日(土)、5日(日)の2日間、松戸市H邸リフォームの内覧会を開催させていただきました。

足をお運びいただいた方々、ありがとうございました。

お引渡し後、お施主様が生活を始めた状態での内覧会でしたので、家具や雑貨が入った完成形を見ることができました。

ケヤキ一枚板のテーブル一体型の、モザイクタイル張りアイランドキッチン

ケヤキ一枚板のテーブル一体型の、モザイクタイル張りアイランドキッチン

アンティーク家具や食器、お花のディスプレイが映えます

アンティーク家具や食器、お花のディスプレイが映えます

ウッドデッキと造り付けのテーブル

ウッドデッキと造り付けのテーブル

床に割った食器のかけらを埋め込んでアクセントに

床に割った食器のかけらを埋め込んでアクセントに

室内にものが入ると、より活き活きとした空間になり、お施主さんのお持ちだった家具や雑貨も輝いて見えました。

素敵な家づくりに関わることができて、私達も嬉しい限りです。

H様とご家族の皆様、本当にありがとうございました。

 

江戸川区K邸‐6(基礎コンクリート型枠脱型)

基礎のコンクリート型枠を外しました。天気予報が少し外れてしまったようで、雨が降ったりやんだりという天候の中での作業になりました。

型枠を外す前 雨天

型枠を外す前 雨天

作業前に現場に着くと、前日の雨が基礎の中にたまってプールのようになっていました。コンクリート打継ぎ部分もきちんと施工できた結果、隙間のないしっかりとした基礎になっているので、プールのように水がたまったわけです。

型枠を外しながら、あれこれやって溜まった水も基礎の外に出しました。基礎内側の型枠のアクが溜まった水に染み出てきたり、基礎外側の型枠を外す時に泥がはねたりと、ちょっと見た目には汚れた印象ではありますが、基礎はなかなか良い仕上がりでした。次の工程前の晴れた日に掃除をしたら、かなりきれいな姿になります。

 

型枠を外した後 雨がやみました

型枠を外した後 雨がやみました

型枠を外すとすぐに、基礎の中に埋めた(先行配管した)排水管などを基礎外の配管につなぐ作業に入りました。このつなぎ作業をするためには、基礎外断熱のスタイロフォームに穴をあける事になります。設備業者さんが穴をあけるのですが、配管にぴったりのきれいな穴をあけることは難しく、配管とスタイロフォームの間に隙間が出来てしまいます。この隙間をそのままにすると、基礎の断熱性能が大幅に落ちます。基礎のこの付近だけ建物の中で結露が起こる可能性もあります。そこで、次の工程で基礎外断熱のスタイロフォームをモルタル塗りで保護する前に、この隙間を現場発泡ウレタン断熱材で埋めて断熱性能を確保します。このあたりを現場監督さんと確認して、しっかりと次の工事に備えます。

福島

基礎の外に配管をつなぐ作業

基礎の外に配管をつなぐ作業