カテゴリー別アーカイブ: K邸リフォーム

K邸リフォーム進行中です-10

K邸リフォーム写真-15

外構工事が終わり、引渡しが完了しました。
外構は部分的にコンクリートを打ち、ウッドデッキを設けています。ぐっと良い雰囲気になりました。

ウッドデッキには、腐りにくい処理を施した杉材を使用しています。
また、床下にはコンクリートを打ってあるため、地面からの湿気はおさえられています。(床下が土の場合、湿気がとても多く、木材が腐りやすくなります。)
さらに、通気性の良い組み方にしているので、とても耐久性が高いウッドデッキになっています。
ウッドデッキがすぐに痛むようでは、庭先が全く使われない雰囲気が悪い空間になってしまいます。 外構も、綺麗な状態で長持ちするものとして計画する事が大切です。

内装と同じように、外構にも踏み石や水栓の受け皿など、もともとあったものを利用しています。
また、庭の半分ほどは元のままなので、昔の家を大切に思っていらっしゃるお施主様にとって、
居心地の良い貴重な空間になったのではないかと思います。

越澤

K邸リフォーム進行中です-9

奥のブラケット照明はお施主様の持ち物です。

奥のブラケット照明はお施主様の持ち物です。

内部工事が完成したので、壁や建具に傷などがないかの確認や設備の点検をしました。
具体的には、仕上げの完成度を見ながらスイッチや照明などが決められた通りにきちんと作動するか、トイレの水の流れや水道の出は良いかなどのチェックをします。
一通り内装を確認しながら、とても魅力的な空間が出来たのではないかと思いました。
あとは外構工事を残すのみとなります。

今回のリフォームは年季の入った家のリフォームだった為、軸組を残しての工事は難しい箇所がたくさんありましたが、大工さん達の頑張りもあり、無事にしっかりとした良い家が出来ました。
長年家を支えてきた柱や梁などの軸組は、ゆがんでいたり部分的に腐っていたりと補修が大変な事が多いです。特に柱が大きく傾いているところはなかなかの難しさです。
ゆがみの調整や補強をして、新しいものとの間に生じるズレ等の問題をクリアにしていく必要があります。
また、もとのしつらえをそのまま残すデザインを実現するのも苦労が多い仕事です。
デザインについてはもちろんですが、新しいものと古いものとの境目は、工事が進んでいく中で何度も現場で話し合いをして決めていきます。

私事ですが、K邸リフォームの担当をさせて頂いた事は良い経験であり、とても勉強になりました。
大変な工事だったからこそ、たくさんの人の力が合わさって、ようやく一つの家が出来上がる事を改めて感じました。

越澤

もとのしつらえを残し、新しい空間をつくります。

もとのしつらえを残し、新しい空間をつくります。

K邸リフォーム進行中です-8

既存の欄間を移設して利用しました。

既存の欄間を移設して利用しました。

既存の家にあった材料の移設をしました。
お施主様のご希望もあって、内装にはリフォーム前の家に使われていた部材を多く使用しています。
もともとあったしつらえをそのまま残している箇所もあります。
新しいものと古いものを一緒に使う事で、少し不思議な雰囲気の素敵な空間が出来ている気がします。

K邸のリフォーム工事はビニルクロス張りなどの仕上げ工事が終わり、
残すは外構工事と照明や設備器具の取付工事です。もうすぐ完成です!

越澤

ビニルクロス張りが終わり、完成間近です。

ビニルクロス張りが終わり、完成間近です。

K邸リフォーム進行中です-7

K邸リフォーム写真-9

もともとあった欄間の下部に新しい縦格子戸が加わり、不思議な空間をつくり出しています。

ゴールデンウイークが明け、現場に製作建具が入りました。
建具は部屋の雰囲気に大きく影響する為、
材料や色、寸法などを一から検討していく事が重要だと考えています。

K邸の場合、縦格子戸や障子などを一からデザインしました。
製作建具が入ることにより、部屋の雰囲気がぐっと完成形に近づきました。

越澤

K邸リフォーム写真-10

天袋と障子はこれから塗装され、カウンターや枠と同じ色になります。

K邸リフォーム進行中です-6

K邸リフォーム写真-7

外壁工事が終わり、足場がもうすぐ外れます。
やっと外からの全体像が見られるようになるので、ちょっと楽しみです。

K邸リフォーム写真-8

内装工事も下地は大体出来てきました。
内装は既存のインテリアを所々活かして進めています。

一つの家が出来上がる事にワクワクする反面、
だんだんこの現場が終わりに近づいている事を感じ、少しさみしくなります。

越澤

K邸リフォーム進行中です-5

K邸リフォーム写真-6

壁や天井の下地に石こうボードを着々とはっています。
写真で黄色く見えているものが石こうボードで、他の部分はまだ下地と断熱材が見えている状態です。
石こうボードの上に壁紙をはっていきます。

床は既にフローリングがはってありますが、今は見えません。
工事中に汚したり、傷つけたりする事のないようにしっかり養生してあります。

床、壁、天井の骨組みが隠れると、一部屋一部屋がはっきりしてくるので、
一つの家が完成するという事を現場へ行くたび改めて実感します。

 越澤

小屋組みリフォームの話-2

ちょっと専門的な話です。

 

前回のK邸小屋組みの話を書いてしばらくたってから、何人かの構造家と木造の小屋組みについて話をする機会がありました。そのほとんどが「昔の‘筋違’や‘火打ち梁’は地震に対してそれほど効果を期待できない。」という見解でした。

特に友人の山口和弘さんとは、あれこれと話をしました。彼は木造を専門とする構造家で、なんとなくおしゃべりしているだけでもとても勉強になります。

 

山口さんとの会話の概略は、以下のようなものです。

「少し前まで、構成部材全体でなんとなく変形を抑えるのが小屋組みの作り方だったと考えられる。」

「そもそも、‘筋違’や‘火打ち梁’で堅い面を作って水平荷重に強い木造軸組みをつくろうという発想は、基本的には明治時代以降の考え方だと言える。」

「その明治時代以降の小屋組みの考え方についても、実際のところ‘火打ち梁’や‘雲筋違’が面剛性を十分に高めているか(地震などの水平力に対して効果があったか)というと疑問はある。」

「昔は‘筋違’や‘火打ち梁’を釘打ちでとめているが、この方法ではあまり面剛性を高める事は出来ない。」

「‘火打梁’をボルトで留めるとそれなりの効果を見込めるが、かなりの数の‘火打梁’が必要であり、実際のところ現実味が乏しいのではないか。昔の建物には、そこまでの数の‘火打梁’は入ってはいない。」

「結局は‘火打ち梁’や‘雲筋違’を使っても、小屋組みは構成部材全体でなんとなく変形を抑えていたと考えられる。」

「小屋組みに‘水平荷重’を負担させる事を論理的に強く意識するようになったのは20年くらい前からだと言える。」

 

人は長い間にわたって木と向き合ってきましたが、今もこんな風に‘ああでもないこうでもない’と工夫を重ねています。昔の見方にも今の見方にも説得力はあります。私達が「木をどのように捉えるのか?」によって、これからも木は様々な姿を見せてくれるだろうと期待もします。私も木の中に何かを見つけられるように頑張っていきたいと思います。

福島

K邸リフォーム進行中です-4

K邸リフォーム写真-5

床や天井の下地、サッシ、透湿防水シートがつきました。
床の下地は合板です。
合板の裏には、厚さ55mmのポリスチレンフォーム断熱材が敷き並べてあります。
この合板の上に、これからフローリングをはります。
透湿防水シートとサッシが施工されて建物の中が雨でぬれなくなったので、これから内部の下地工事も仕上工事もどんどん進んでいきます。
コンクリートの基礎が見えなくなり、サッシがつくと、もうどことなく部屋らしくなってきた気がします。

越澤

K邸リフォーム進行中です-3

K邸リフォーム写真-4

軸組の補強がほぼ終わりました。
軸組とは柱や梁、筋交(写真で斜めに入っているもの)などで構成される骨組みの事です。
それらを構造的に弱い部分に新しく追加したり補強したりします。
年季の入った既存の軸組と新しく追加したものの色の差が激しいので、どこが補強されたか一目瞭然ですね。
たくさん補強がされ、しっかりとした建物になってきている事が良く分かります。
越澤

小屋組みリフォームの話-1

image

ちょっと専門的な話です。

この写真は、K邸リフォームの寄棟(よせむね)屋根の小屋組みです。築60年ほどの既存家屋の解体工事が終わった頃に、丸太梁の小口に錐(きり)が刺さっていたのが気になって撮ったものです。

友人の建築家にこの写真を見せたところ、錐よりも小屋組みに目が行ったようです。彼は「平面的に交差する小屋梁が‘渡り腮(わたりあご)’で組まれていないし‘雲筋違(くもすじかい)’も無い。この小屋組みをつくった昔の大工さんはどういうつもりだったのかな?」と言っていました。‘渡り腮’と ‘雲筋違’はスケッチに描いたようなものです。小屋組みの変形をおさえるために使われます。

「元の小屋組みは、地震や風などの‘水平荷重’に対して弱いんじゃないか?」と彼は言っているのだろうと思ったので、「‘鉛直荷重’(屋根や雪の重さ)を支える事にばかり気を使うような仕事は、昔の市井の大工さんには珍しくないんじゃないかと思っている。昔の小屋組みのけっこう多くは‘水平荷重’に対して弱いと思う。」といった旨の返事をしました。

 

私は「建築家や大工さんの多くが、小屋組みに‘水平荷重’を負担させる事を論理的に強く意識するようになったのは最近の話なんじゃないか。」と思っています。それ以前から‘渡り腮’や‘かぶと蟻がけ’などの仕口を駆使しながら‘雲筋違’や‘火打ち梁’などを入れて小屋組みを作るのは、それらの部材にのみ‘水平荷重’を負担させる事を考えていたわけではなく、そういった部材と仕上げ材も含めた他の部材で‘全体的になんとなく小屋組みの変形をおさえる’ようにして、小屋組み全体でなんとなく‘水平荷重’を負担する事を期待していたからなんだろうと思っています。なんとなく、です。なんとなくというのは、客観性がある方法論ではないという程度の意味です。その昔にK邸を作った大工さんは、‘渡り腮’も‘雲筋違’も無しでなんとなく小屋組みの変形をおさえられると、なんとなく考えてたんじゃないかと想像したわけです。友人が感じたように‘水平荷重’に対する意識があまりない大工さんだったんだろうなと思います。

 

K邸の小屋組みについては、改修前よりもしっかりと‘水平荷重’を受けられるような対応をしました。屋根面は下地合板でしっかりと固めて、交差する小屋梁は金物で緊結して、小屋束を補強した上で小屋束間に耐力壁と同じ仕様で筋違を入れました。

今の新築の家ではプレカット材と厚い合板で構造体を作るので、リフォーム以外ではなかなかこんな小屋組みの作り方をする機会も無いんだろうと思っています。古い木造の家のリフォームは、昔と今の‘技術’や‘考え方’を整理するという面もあり、なかなかに難しいものです。

福島

渡り腮スケッチ

和小屋