タグ別アーカイブ: 洋風インテリア

世田谷区K邸リフォーム-8(どのようなデザインにしたのか ③)

リビング・ダイニングと夫婦の寝室を除いた他の部屋においては、カーテンに〈光と色〉の効果をそれほど求めませんでした。もちろんカーテンの吟味はしたのですが、デザインの基調は他の素材に求めています。

玄関ホールのアクセントクロス

ご夫婦の寝室のように、アクセントクロスに〈光と色〉の効果を期待したところもあります。なかでも印象的なのは、リビング前室だと思います。色と柄に特長があるウィリアム・モリス定番の壁紙を、壁一面に使っています。華やかな雰囲気であり、アーチ形やモールディングと相まって、ヨーロッパ風のデザインを印象づける効果もあります。
これらのヨーロッパ風のデザインにも〈その空間らしさ〉が感じられるのではないかと思います。

リビングから見た前室のアクセントクロス

〈木の質感〉は、くつろいだ雰囲気が相応しい寝室のデザインに活かせるのではないかと考えました。寝室にはご夫婦用とお母様用とがあります。

夫婦の寝室の羽目板天井と格子

床はナラの無垢フローリングです。リビング・ダイニングの床に使ったウォールナットと比べると、少し気軽な印象だと思います。
天井はナラの羽目板として、色と質感を床にそろえました。羽目板を使うと、木の雰囲気をより感じられるようになると思います。
部屋を緩やかに仕切るツガの格子も設けました。木の印象を強くすると共に、空間に独特の奥行きを感じさせる効果もあると思います。

夫婦の寝室の入口

いずれの木もクリアオイル仕上げにしました。落ち着いた雰囲気のすごしやすい寝室に出来たように思います。

福島

世田谷区K邸リフォーム-7(どのようなデザインにしたのか ②)

インテリアデザインをするにあたっては、インテリアコーディネートを前提としています。とは言え、家具や照明器具などが変わっても〈その空間らしさ〉を感じられるようにしたいという想いもあります。長く我が家に愛着を持つ上で、それがとても大切なことに思えるからです。
あまり間取りを替えないリフォームであるがゆえに、空間構成や造形には〈既存の家らしさ〉が保たれます。新たなライフスタイルに相応しい〈その空間らしさ〉をデザインするには、造形などよりも〈光と色〉や〈木の質感〉を拠り所にするのが良いと考えました。

リビング・ダイニングのカーテン

カーテンへのこだわりをうかがってから、いつもよりカーテンの光をイメージするようになりました。ドレープカーテンが光を反射して色をつくる、レースカーテンが光を透かして色をつくる、天井から床までの開口部いっぱいに流れるように柔らかい布がさがっている、そんなイメージです。
いろいろな条件を踏まえて、こういったカーテンの〈光と色〉をリビング・ダイニングのデザインに活かす事としました。ショールームで実際にカーテンを見ていると、よりイメージが湧いてきます。最終的には〈水色〉のドレープカーテンと〈藍色〉のレースカーテンを選ぶことになりました。カーテンがつくる青みがかった光を美しく魅せるために、壁と天井は白い左官仕上げにしました。

夫婦の寝室のカーテン

ショールームには素敵なカーテンが並んでいます。娘さんが一目惚れしたレースカーテンを、ご夫婦の寝室に入れる事になりました。焦げ茶色と白色のグラデーションが美しいレースカーテンです。寝室に相応しく光を抑える質感となっています。ドレープカーテンはアクセントクロスの色として考えていた〈浅紫色〉に合わせました。アクセントクロスと共に沈んだ色の光を反射して、落ち着いた雰囲気をつくります。

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世田谷区K邸リフォーム-6(どのようなデザインにしたのか ①)

「どのような雰囲気の家にしたいですか?」と伺ったところ、「ヨーロッパ風のインテリアデザインが好み」「色がきれいな部屋にしたい」「硬い印象は避けたい」ということでした。印象的だったのはカーテンのお話です。質の良いカーテンにしたいと仰っていて、特にスイスのファブリックブランドであるフィスバさんのカーテンを希望されていました。デザインを検討しはじめると、ここに基調があると感じるようになります。
家具についてもイメージを持っていらっしゃいます。であれば、インテリアコーディネートを前提としてデザインすることが、好ましい雰囲気にする上では大切なはずです。そこで、私からインテリアコーディネートも提案させて頂きました。

夫婦の寝室のモールディング

ことさらヨーロッパ風にしたいとなれば、どこかにそれらしきモチーフが少しあると効果的に思えます。そこで、造り付け家具の扉にはモールディングを入れるようにしました。
やりすぎないように配慮が必要です。例えばリビング・ダイニングにモールディング入りの腰壁を設けると、よりヨーロッパ風が強調されるかもしれません。しかしながら、既存の空間には合わないと判断をしました。そもそも既存の空間の骨格が日本的であるためです。ヨーロッパの住宅と同じデザインをするのではなく、どこまでヨーロッパ風のテイストを入れるのかという感覚かもしれません。

アーチとアクセント壁

リビング・ダイニングと前室を仕切る壁の開口は、アーチ形にしました。これによって、さらにヨーロッパ風を楽しめるインテリアデザインになったと思います。どのようなアーチ形が良いかと考えたのですが、ここでも既存の空間の骨格が日本的であることが影響してきます。半円アーチ形にするとヨーロッパ風になるとは思うのですが、十分な開口をつくるには天井高さが足りません。そのため、低めの天井であっても大きめの開口をつくれる三心アーチ形としました。

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世田谷区K邸リフォーム-5(どのようにプランニングをするのか ②)

既存家屋からの大きな変更点は、一階の続き間を再現する事でした。竣工時には続き間であった部屋が、築10年頃のリフォームによって完全な二部屋に分けられていました。今回の築45年でのリフォームにあたり、この二部屋を広い一部屋として使いたいという要望もあり、続き間に戻す事になります。45年前の竣工時から見ると、続き間を仕切る襖(ふすま)を無くしてリビング・ダイニングとして使う感じです。襖の並びにある袖壁を構造的に残す必要があったため、続き間としての空間構成は保持される事となりました。

リビングの前室

結果として18帖(リビング10帖+ダイニング8帖)の一部屋になりますが、それでも例えばカウチソファを置くとなると、面積が足りているとは言い難い状況です。そこで隣室の空間をリビングに振り分ける事を考えました。隣室の収納とリビングの間の壁を取り払うことが出来れば、単純にリビングの面積を拡張できます。しかし、この壁には柱と筋交が入っている部分があり、そこは構造的に残す必要があります。そこで、筋交が無い部分だけを開口にして、隣室の収納をリビングの前室に用途替えする事としました。この際、収納の隣室側は壁にします。リビングの面積拡張ではなく、リビングをサポートする前室によって不足した面積を補う考え方です。具体的に、前室をリビングの出入り口と動線にしているので、その分だけ面積に余裕がうまれます。

寝室の前室とウォークインクローゼット

部屋の使い方の見直しで顕著なのは、部屋の一部を仕切って納戸やウォークインクローゼット等の収納にしたところです。収納については、具体的に所有している服や靴などの形と数を確認して計画を立てています。Kさんご家族は相当な荷物を整理されたのですが、それでも気持ち良く過ごすには収納量を増やす必要がありました。
単に収納量を増やすだけでは十分ではありません。便利な位置にあってこそ、収納を有効かつ快適に使うことが出来るものです。緻密な打ち合わせを重ねて、構造との兼ね合いを見ながら、既存の間取りは変えずに収納の壁や入口の位置を決めていきました。

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世田谷区K邸リフォーム-2(どのように設計に取り組んだのか)

高齢のお母様と娘さんご夫婦が共に暮らすのを機に、築45年のお母様の家を全面リフォームする事になりました。

ある意味で、とてもリフォームらしい設計になったと思います。
一般的に全面リフォームに求められるのは〈傷んだところを直す〉〈足りない性能を付加する〉〈全てのスペックを今よりも上げる〉〈変化したライフスタイルに合わせる〉〈好みのデザインにする〉といったところかと思います。

Kさんご家族には、既存家屋での暮らしのイメージがあります。リフォームに当たっての要望は、そのイメージのうちにある問題点を解決したいというものでした。はじめの頃の打合せでは、既存の家のこの部分をこうしたいという具体的なお話が多かったように思います。どちらかと言えば暮らし方を大きく変える事の無い、修繕に近いリフォームと言えます。建替えたかのような家にリフォームする場合と比べると、より既存の家を活かす方法です。
私には「高齢のお母様の暮らし方が大きく変わるのは避けたほうが良い」という思いもありました。そういった事情によって、あまり間取りを変えない設計方針となります。外観についても、修繕を施した上で色や形を整えるにとどめる事としました。

外観

打合せを重ねていくと、はじめは修繕に近かった要望に変化が出てきて、デザインとライフスタイルにもKさんご家族の想いが広がっていきます。素敵な家具やカーテンに囲まれて、雰囲気が良い洋風の空間でくつろいで過ごす、そういったイメージです。
間取りはあまり変えないデザインによって、ライフスタイルを大きく変える事となります。

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世田谷区K邸リフォーム-1(竣工写真)

世田谷区K邸リフォームの竣工写真が出来あがりました。
素敵な仕上がりになったと思います。飯貝カメラマンによる撮影です。

K邸リフォームは、インテリアデザインに重きを置いて計画したように思います。特にインテリアコーディネートを前提として、その雰囲気を創る意図がありました。

ダイニング

デザインするにあたっては〈光と色〉も意識しました。例えばリビング・ダイニングでは、 〈藍色〉のレースカーテン越しに広がる外光の色を、空間の基調としています。
夫婦の寝室では、木の素材感が印象的な空間に〈浅紫色〉のアクセント壁が沈んだ色の光を反射するようにしています。

夫婦の寝室

こういった色のある光を写真に反映する事は、とても難しいと思います。
〈目に見えている印象〉と〈写真の印象〉の間にズレが生じるのは、常について回る問題なのかもしれません。

そういった問題を乗り越えて、カメラマンは建築を写真にしていくように思います。

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