月別アーカイブ: 2018年4月

川口市A邸-18(雨樋)

A邸は設計を進める上で、いくつかポイントとなる点がありました。
引き渡しも済みましたので、少しずつご紹介していこうと思います。

屋根の断面形状が「へ」の字の招き屋根になっているため、雨が降ると
屋根の雨水は約8割が建物正面方向へ向かって流れます。
その雨水は軒樋(軒先の雨樋)から両側の竪樋(軒先から地上をつなぐ雨樋)
を伝って排水されます。

側面から見た外観

側面から見た外観

正面から見た外観

正面から見た外観

正面に向かって左側は一般的なパイプ状の竪樋ですが、
軒先まで袖壁を出しているので目立たなくなっています。
この壁はバルコニーの〈隣地からの目隠し〉や〈西日を遮る日除け〉にもなっています。
正面に向かって右側の竪樋は鎖樋です。鎖樋は日本で古くから使われており、
さまざまな形状がありますが、今回は小さなカップが連なったようなシンプルな形状のものを使用しています。

2階のバルコニーから鎖樋を見る

2階のバルコニーから鎖樋を見る

よく見ていただくと、軒樋が屋根のケラバ(屋根端部のうち、軒樋が付いていない側)
より突き出した先に鎖樋が垂れ下がっているのがお分かりになるかと思います。
これは、玄関周りの動線の邪魔にならないようにと、2階のバルコニーに干渉しないように配慮してあります。
また、鎖樋を建物本体から離すようにして、デザイン的にスッキリとした印象になることも意図しています。

鎖樋はパイプ状の竪樋とは違い、雨水が流れていく様子を目で見て・耳で聞いて楽しむことができます。
下の動画にて鎖樋の雰囲気を少し感じられるかと思います。是非、音と共にご覧ください。

鎖樋が雨水を地上へ導く様子は、見ていてとても心が落ち着きます。
機能的にはもちろん、デザイン的にも雰囲気をつくるうえでも、この鎖樋は大きな役割を担っていると考えています。

越澤

川口市A邸-17(引き渡し)

川口市A邸が完成し、引き渡しが無事に終わりました。
工事が終わった後、傷や汚れがないか・建具や設備は正常に動くかなどを
お施主様と共に確認をし、引き渡しとなります。
職人さんや工務店の方々のお陰で、とてもきれいな仕上がりでした。

お施主様は「優しい印象の美しい家になりましたね」と仰ってくださいました。
素敵なお施主様に巡り合えて、感謝の気持ちでいっぱいです。
この家で気持ち良く暮らしていただければ良いなあと思っています。

黒い鎖樋や階段手摺がアクセントの外観

黒い鎖樋や階段手摺がアクセントの外観

斜めに落ちる袖壁は隣地との視線を遮る

斜めに落ちる袖壁は隣地との視線を遮る

屋外とも緩やかにつながるリビング・ダイニング

屋外とも緩やかにつながるリビング・ダイニング

室内に差し込む日が木の陰を壁に映し出す

室内に差し込む日が木の陰を壁に映し出す

障子や間仕切り戸を閉めると落ち着いた雰囲気に

障子や間仕切り戸を閉めると落ち着いた雰囲気に

キッチン奥の窓からもきれいな緑が見える

キッチン奥の窓からもきれいな緑が見える

しばらくしたら工事完了直後の竣工写真をホームページに掲載しますので、
よろしければ是非ご覧ください。

越澤

「川口市A邸」内覧会のご案内

私達の設計監理による住宅が完成します。お施主様のご厚意により、内覧会を開催する事になりました。
敷地前面の桜並木に向かって開放的な建物です。ほどよく自然素材を活かした
やさしい雰囲気の空間となっています。
延床面積130㎡弱の木造二階建ての住宅です。建設地は埼玉県川口市になります。
この機会にご覧いただきたく、ご案内申し上げます。

□設計・監理:スタジオ・スペース・クラフト 福島慶太・遠山麻子・越澤ふづき

□施工:ASJ東京北スタジオ[株式会社オオバ工務店]

□内覧会日時:

2018年4月13日(金) 建築設計事務所などの関係者を対象としています。
2018年4月15日(日) ASJ会員様などの一般の方を対象としています。

見学をご希望の方に、詳しいご案内をお送りします。スタジオ・スペース・クラフトまでお電話いただくか、ホームページの「連絡先 – メールによるお問い合わせはこちら」からご連絡ください。