仕上工事も進んできました。フローリングと大谷石の床を張り終えて、小上りの床も畳を敷ける状態になりました。だんだんと細かい部分も作られています。
さて、現場には猫が二匹います。お施主さんが飼っている猫が、現場を自由にウロチョロしています。一匹はまだ幼なさが残るとても人懐こい子です。必ず現場に入って来た人の足元にすり寄ります。現場監督さんが言うには、現場のマスコットとして職人さんたちに可愛がられているとのこと。私たちが打合せをしているときも、いつの間にか話の輪の中に入っている感じです。
毎日の現場パトロールも熱心なものです。自分の家が他人の手でどんどん姿を変えていくわけですから、猫にしたらあちこち気になるのは当然のことだろうと思います。もう一匹の猫は大人のせいか、皆の足元にすり寄ってくることはないのですが、話しかけるとかわいい声で返事をしてくれます。この子は、現場が終わる夕方までは、ほとんど人の目につかないところで寝て過ごしているようです。たまに現場に顔を出すときには、職人さんたちにかわいがられているみたいです。
H邸にはこの猫たちのための場所をいくつかつくります。
小上りのあるリビングダイニングには、天井近くに猫の散歩道をつくりました。造り付けた机やカウンターを踏み台にして、そこに続く猫用の階段を上がった先に散歩道があります。
爪とぎ場所を兼ねた猫の登り棒も、猫の散歩道までのルートになります。
大きな本棚を壁一面につくる部屋があるのですが、この本棚にも猫の居場所があります。高い位置も本棚として使えるように、本棚の下のほうが階段状になっているのですが、ここは猫が上がって過ごす場所としても考えています。
猫たちは、家の外と中を自由に行き来しています。猫の出入りにともなって家の冷暖房効率をおとさないように、猫用の出入り口にもちょっとした工夫をしました。
私達が設計したこの空間で、猫たちも楽しく過ごせると良いなあと思います。
福島