江戸川区K邸の基礎コンクリート打設です。天候にも恵まれ、無事にコンクリート打設が出来ました。
木造住宅の基礎コンクリートは、工事日を変えて二回に分けて打設するのが一般的です。一回目はスラブ(基礎鉄筋コンクリート造の床)と地中梁(スラブより下に埋まる梁)などのコンクリートを打設して、二回目は基礎立ち上り(壁のように垂直な部分)を打設します。スラブと立ち上りを同じタイミングでコンクリート打設としないため、スラブと立ち上りの境目の打継部分が厳密に一体化しないリスクもあります。ここが一体化しないと、外部から基礎の中に水がしみてくることもあります。そのような事が無いように、私たちはこのコンクリート打継部分に止水材をいれて対応をします。
K邸の基礎もスラブと立ち上りでコンクリート打設を二回に分けるのですが、スラブに40cmほどの段差があるため工事が少々やっかいです。スラブのコンクリート打設をしてから立ち上りのコンクリート打設をするという進め方をしようとすると、次のような手順で工事日を変えて三回に分けてのコンクリート打設になります。
- ‘低いスラブのコンクリート’を打設する。
- ‘高いスラブのコンクリート’と‘低いスラブの立ち上がりの途中までのコンクリート’を打設する。
- ‘高いスラブの立ち上がり’と‘低いスラブの立ち上がりの途中から上のコンクリート’を打設する。
このように進めると地盤面より下に打継が増えるので、基礎の性能も施工精度も落ちるリスクがあります。そこでコンクリート打設を二回で終わらせることが出来て、性能も施工精度も高い基礎をつくれるように、こういったケースでは浮型枠を使う施工方法にします。浮型枠というのは、スラブと立ち上りに同時にコンクリートを打つさいに使う‘宙に浮いたようにセットする型枠’のことをさします。
コンクリートは固まる前でもある程度の堅さと粘り気を持っています。浮型枠を使う施工方法は、この性質を活かしたものだと言えます。コンクリートがもっと水っぽいものだとしたら、‘高いスラブ’と‘低いスラブ’を同時にコンクリート打設しようとしても、どっちも高いスラブにそろった床面になっていまいます。計画している基礎に相応しい施工方法を検討する事は大切です。
基礎スラブのコンクリート打設が終わったら、これから続く工事の施工精度を上げるためにも、コンクリートの表面をコテできれいにならします。こんな感じで流し込んだばかりのコンクリートの上に載っても、人が浮くくらいにコンクリートはある程度の堅さと粘り気があるものです。
福島