東京23区内に土地を持っていると、それなりに相続の事を考えざるを得ないと言えます。敷地の所有者はお母様であり、その土地の法定相続人は娘さん二人です。この敷地の形状や接道状況を見ると、土地を二分割してそれぞれに相続するのが分かりやすくて無駄も無さそうです。家を建て替えるにあたって、相続への配慮がある〈家の形〉や〈構造〉や〈平面計画〉としたら、さらに無駄もわずらわしさも減ります。結果として、土地も家も二分割しやすい〈二棟に分けた二世帯住宅〉は有効だと考えました。相続後に家に少し手を加えるだけで、娘さんがそのまま一棟に住み続ける事もできます。もう一人の娘さんは、残りの一棟に住む事も出来ますし、相続分の土地を建物ごと売却する事も出来ます。土地も家もそれぞれが別の所有者になったとしても、この家に気持ち良く住み続けるために、中庭のようなテラスとスロープはとても効果的だと思います。例えば、スロープとテラスと玄関を二つに区画する壁を立てる事で、二棟の家の独立性を高くする等が考えられます。一棟を残して、もう一棟は解体する事も考えられます。分かりやすく相続の選択肢を増やす‘家のつくり方’もあると考えています。
福島