江戸川区K邸のお引き渡しから、7年が経ちました。先日、杉板外壁の経年変化を確認するため、久しぶりにお邪魔させていただきました。杉板の様子は、時間の経過とともにかなり変わっていきます。時折状態を見ながら、メンテナンスについて考えています。
「木の外壁は腐りやすいのではないか?家の寿命が短くなるのではないか?」と質問をいただいた事があります。私は「木の乾燥状態を保つようにつくれば、他の外壁材と比べて特に家の寿命が短くなる事は無いと思います」とご説明差し上げました。木が腐るのは木材腐朽菌が繁殖するためです。乾燥状態を保つことで、この木材腐朽菌の繁殖を防げます。杉板外壁の表面は空気にさらされるので、杉板の裏面に通気層を設ければ、基本的には材を乾燥状態にすることができます。他にも「水分を吸いやすい木口に水が溜まらないようにする」「空気が淀むようなところをつくらない」「水跳ねがあるところには使わない」等にも配慮をして、杉板を傷めずに耐久性をあげるようにします。
杉板外壁の耐久性を上げるようにしても、木の経年変化は目に見えて分かるものです。日に日にその様子を変えていきます。それゆえに杉板外壁は、経年変化を「趣が増している」と感じる方にはお勧めですが、「劣化している」と感じる方には不向きな仕様のように思います。
Kさんは経年変化を楽しみながらお住まいのようです。
福島