この度2018年7月より、下記の住所へ事務所を移転する事となりました。
また移転に伴い、電話/FAX番号とメールアドレスの変更もございますので、併せてご案内いたします。
- 所在地:〒161-0032 東京都新宿区中落合2-25-3 ビーコンヒル 101
- 地図:Google Map
- TEL/FAX:03-6908-1509
- E-mail:mail@studiospacecraft.com
今後ともご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
福島慶太
遠山麻子
越澤ふづき
スタジオ・スペース・クラフト
この度2018年7月より、下記の住所へ事務所を移転する事となりました。
また移転に伴い、電話/FAX番号とメールアドレスの変更もございますので、併せてご案内いたします。
今後ともご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
福島慶太
遠山麻子
越澤ふづき
前回に引き続き、A邸のポイントをご紹介します。
今回は犬と暮らす工夫についてです。
A邸には4匹のトイプードル達がいます。
元気いっぱいでとてもかわいいのですが、4匹もいると大変なこともあります。
ワンちゃん達は普段、家の中を自由に歩き回っています。
以前は入ってほしくないところにも出入りしてました。
そこで家を建てるにあたって、ワンちゃん達に入ってほしくない場所に建具をつけました。
最後に使用している様子の動画を貼り付けてありますので、
そちらも是非ご覧ください。
キッチンにはワンちゃん達が興味を持つものがたくさんあります。
いたずらをしないように引き戸をつけました。
開けていると流し台脇の腰壁と一体となり、閉めると壁が引き延ばされたように見えます。
閉めた時に扉は先端のマグネットで固定され、ワンちゃんには簡単に開けられません。
A邸には和室がないため、リビング・ダイニングの一角に一畳ほどの仏壇コーナーを設けています。
閉鎖的な空間にならないように、たて格子で緩やかに仕切りました。
その仏壇コーナーには、ワンちゃんがお供え物等を触らないように仕切り壁と同様のたて格子の引き戸をつけました。
ここはデザイン上、キッチンのように腰までの高さではなく、ドアの高さにしています。
目線は遮っても完全に隔てないように、また、お仏壇の和の雰囲気にも寄りそうように、
同じ高さのたて格子がL字に続くデザインとしています。
来客やお留守番の際に一時的に入ってもらうドッグコーナーも階段下に設けました。
リビング・ダイニングの脇に書斎コーナーを設け、その奥を秘密基地のような空間のドッグコーナーにしています。
十分な広さがあるので、4匹一緒に過ごすことができます。
ワンちゃん達のトイレコーナーは家族のトイレの隣に用意しています。
トイレシートなどがたっぷりしまえる収納の下部に、
ワンちゃんが入れてトイレトレーが置ける広さの空間を設けました。
床や壁の材料は、人にもワンちゃんにも優しい自然素材にしています。
床はクリの無垢フローリングで、ワンちゃんも歩きやすいものです。
ワンちゃん達も家族と一緒に快適な生活を送っていただければ良いなあと思います。
越澤
A邸は設計を進める上で、いくつかポイントとなる点がありました。
引き渡しも済みましたので、少しずつご紹介していこうと思います。
屋根の断面形状が「へ」の字の招き屋根になっているため、雨が降ると
屋根の雨水は約8割が建物正面方向へ向かって流れます。
その雨水は軒樋(軒先の雨樋)から両側の竪樋(軒先から地上をつなぐ雨樋)
を伝って排水されます。
正面に向かって左側は一般的なパイプ状の竪樋ですが、
軒先まで袖壁を出しているので目立たなくなっています。
この壁はバルコニーの〈隣地からの目隠し〉や〈西日を遮る日除け〉にもなっています。
正面に向かって右側の竪樋は鎖樋です。鎖樋は日本で古くから使われており、
さまざまな形状がありますが、今回は小さなカップが連なったようなシンプルな形状のものを使用しています。
よく見ていただくと、軒樋が屋根のケラバ(屋根端部のうち、軒樋が付いていない側)
より突き出した先に鎖樋が垂れ下がっているのがお分かりになるかと思います。
これは、玄関周りの動線の邪魔にならないようにと、2階のバルコニーに干渉しないように配慮してあります。
また、鎖樋を建物本体から離すようにして、デザイン的にスッキリとした印象になることも意図しています。
鎖樋はパイプ状の竪樋とは違い、雨水が流れていく様子を目で見て・耳で聞いて楽しむことができます。
下の動画にて鎖樋の雰囲気を少し感じられるかと思います。是非、音と共にご覧ください。
鎖樋が雨水を地上へ導く様子は、見ていてとても心が落ち着きます。
機能的にはもちろん、デザイン的にも雰囲気をつくるうえでも、この鎖樋は大きな役割を担っていると考えています。
越澤
川口市A邸が完成し、引き渡しが無事に終わりました。
工事が終わった後、傷や汚れがないか・建具や設備は正常に動くかなどを
お施主様と共に確認をし、引き渡しとなります。
職人さんや工務店の方々のお陰で、とてもきれいな仕上がりでした。
お施主様は「優しい印象の美しい家になりましたね」と仰ってくださいました。
素敵なお施主様に巡り合えて、感謝の気持ちでいっぱいです。
この家で気持ち良く暮らしていただければ良いなあと思っています。
しばらくしたら工事完了直後の竣工写真をホームページに掲載しますので、
よろしければ是非ご覧ください。
越澤
私達の設計監理による住宅が完成します。お施主様のご厚意により、内覧会を開催する事になりました。
敷地前面の桜並木に向かって開放的な建物です。ほどよく自然素材を活かした
やさしい雰囲気の空間となっています。
延床面積130㎡弱の木造二階建ての住宅です。建設地は埼玉県川口市になります。
この機会にご覧いただきたく、ご案内申し上げます。
□設計・監理:スタジオ・スペース・クラフト 福島慶太・遠山麻子・越澤ふづき
□施工:ASJ東京北スタジオ[株式会社オオバ工務店]
□内覧会日時:
2018年4月13日(金) 建築設計事務所などの関係者を対象としています。
2018年4月15日(日) ASJ会員様などの一般の方を対象としています。
見学をご希望の方に、詳しいご案内をお送りします。スタジオ・スペース・クラフトまでお電話いただくか、ホームページの「連絡先 – メールによるお問い合わせはこちら」からご連絡ください。
満開の桜の中、左官壁の打合せをしました。
A邸はリビング・ダイニングの壁が左官仕上げです。
塗り方をどのようにするか、左官屋さんに試し塗りをしてもらいながらお施主様と相談します。
コテむらの加減をお施主様にご覧いただいて、少し波打つようなさっぱりとした感じの塗り方で進める事としました。
左官の面積が広くなると色は明るく見えます。白っぽい壁をイメージして設計しているのですが、実際には少し茶色い漆喰にしています。
部屋の雰囲気にも良く合い、とてもきれいな仕上がりになりました。
楽しみにしていた桜は、想像以上に見事でした。
1階リビング・ダイニングの大きな窓からも、2階のバルコニーからもゆっくり見ることができます。
打合せの合間に、贅沢なお花見ができました。
越澤
足場の撤去が終わり、室内の木製天井も全て張り終わりました。
着々と完成に近づいています。
1階のリビング・ダイニングの天井は米スギの羽目板張りです。
屋内の天井は屋外の軒天井と高さも材料も同じにしているため、大きな窓越しに外の空間とゆったりつながります。
階段の天井もリビング・ダイニングと同じ羽目板張りです。
裏方の印象にならないよう緩やかなカーブのかかった天井にしています。
ただの通路ではなく、楽しい雰囲気の階段になりました。
2階の寝室はラワン合板張りに塗装を施しています。
窓から見える外の景色とラワンの木目が良く合い、心地の良い開放的な空間になっているように思います。
木の手摺が道路への視線を妨げるので、落ち着いて外の景色を楽しめます。
完成形がより一層見えてきました。
気持ちを新たに取り組んでいこうと思います。
越澤
建物の外部工事がほとんど終わったので、仮設足場の撤去が始まりました。
大まかな外観がようやく見えてきました。
軒天井とバルコニーの手摺の色合いも良く、木の印象が楽しい外観になったと思います。
外壁は前回のブログでも紹介した通り、サイディングの上に吹付塗装をしています。
サイディングを取り付けた際に出る釘のくぼみ部分を、パテというもので一つ一つ丁寧に埋めてから吹付塗装を施してあるため、仕上がりに釘のくぼみは全く見えてきません。
塗装屋さんの丁寧な対応のかいあって、少し目地が見えてくるだけのきれいな仕上がりになりました。
今まで養生用のネット越しに見ていたバルコニーからの景色は、思った以上に開放的でとても良いものになったと改めて感じました。
建物正面の並木は桜の木なので、春になると良いお花見スポットになりそうです。
越澤
新潟県の住宅のリフォーム工事が完成しました。
二つの個室は部屋の間口が同じ一間半(柱の芯で2.73m)、窓の位置は左右対称のため窓回りに造り付けた本棚とベンチ収納も左右対称になっています。ほぼ同じデザインの二つの部屋ですが、白系と茶系それぞれの個性が出ていて、印象が変わります。
〈白の部屋〉
フローリング:カンヌブラン/IOC
壁・天井:マーブルフィール コテ塗り左官仕上げ グレー/プラネットジャパン
造作家具・巾木:タモ材+プラネットカラ-塗装仕上げ/プラネットジャパン
廻り縁:サンメント木製モールディング/みはし+プラネットカラ-塗装仕上げ
ブラケット照明:オーデリック
シャンデリア:遠藤照明
サッシ:既存アルミサッシ
妹さんの部屋は7.4帖。白系の色合いでまとめていて、入口ドアのくすんだ青色がアクセントカラーです。ドアの右手前に見えているのはクローゼットの背中です。
白といってもプラスチックのような真っ白ではなく、木の部分は木目が透けて見えるような塗装にし、壁は薄いグレーの左官仕上げにしているので、使い込まれたようなニュアンスが出ます。
〈焦げ茶の部屋〉
フローリング:カンヌブリュレ/IOC
壁・天井:マーブルフィール コテ塗り左官仕上げ ブラウン/プラネットジャパン
造作家具・巾木:タモ材+プラネットカラ-塗装仕上げ/プラネットジャパン
廻り縁:サンメント木製モールディング/みはし+プラネットカラ-塗装仕上げ
ブラケット照明:オーデリック
シャンデリア:遠藤照明
サッシ:既存アルミサッシ
お姉さんの部屋は9帖。こちらの方が少し広いです。造作家具などは白の部屋と左右対称で同じ大きさとデザインです。仕上げの塗装色を焦げ茶色にしていて、温もりのある落ち着いた雰囲気になっています。木部に塗るオイルステインという塗装は茶色だけでも何色もあるので慎重に選びます。今回はやや赤みがかった焦げ茶色にしました。
どちらの部屋にも、クローゼットで区切った小さな着替えスペースを作りました。クローゼット前の壁にフックをつけて普段着る服やバッグを掛けておくと便利です。しっかりした部屋として区切らなくてもウォークインクローゼットのように使えます。このスペースは向こうからは見えないので、お友達が部屋にいてもここでサッと着替えることができます。
またこの形のクローゼットは、家具がレイアウトしやすいというメリットもあります。個室によくあるクローゼットは扉が室内に向いているので、扉の前に家具を置くときには扉が開くスペースを確保する必要があります。でも、この形なら背板にベッドなどをピタッと付けて置くことができるため、部屋の中央のスペースを有効に使えます。
窓回りの本棚とベンチ収納です。お気に入りの本を取り出して、明るい窓辺で読書も楽しいと思います。またお友達が来たときも、ベンチがあれば何人かで座ってお喋りできます。
ベンチ下の収納には、かさ張るものがたくさんしまえます。
この二つの部屋にそれぞれの机やベッドなどの家具が置かれて、カーテンやラグマット、クッションや小物などの彩りが加わると、もっと楽しい雰囲気になるだろうと想像しています。
私たちがインテリアコーディネートをすると更に洗練された空間になると思いますが、今回はカーテン等のファブリック類や家具、小物はこの部屋で暮らすお二人が好みのものを少しずつ揃えていくということになりました。よりお二人の個性が反映された素敵な部屋になるのではと思うと、とても楽しみです。
姉妹のお二人が、これからこの部屋で豊かな時間をたくさん過ごしてもらえることを願っています。
遠山
外壁の下地となるサイディングを張り終わりました。
サイディングは透湿防水シートの上に設けた胴縁に固定します。
透湿防水シートとは、雨などの水は通さずに壁内で発生した湿気を通すシートです。
細長い木材でできた胴縁は、透湿防水シートとサイディングの間に空気が流れる層をつくるために入れています。
壁内で発生した湿気は透湿防水シートを通り、胴縁によってできた通気層越しに外部へ排出されます。このようにして湿気を壁の中に溜めないようにし、カビの発生や断熱性能の低下を防ぎます。
A邸の外壁はこのサイディングの上に吹付塗装をするため、仕上がりにサイディングの目地(継ぎ目)が見えてきます。
縦と横の目地がきれいに見えるように、外壁に出てくる設備と目地の位置を事前に検討しました。
窓や排気口のベントキャップなどとサイディングの目地を揃えることによって、仕上がりに目地が見えてきても外観のデザインを損ねません。
2階のバルコニーには目隠しの袖壁があり、外壁の仕上げそのままで下端は斜めになっています。
斜め部分の納まりが難しいため現場でも打合せをし、最終的には役物(コーナー用のサイディング)できれいに納めていただきました。
サイディングがきれいに張られたので、仕上がりの良い外壁になると思います。
越澤