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川口市A邸-19(犬と暮らす工夫)

前回に引き続き、A邸のポイントをご紹介します。
今回は犬と暮らす工夫についてです。
A邸には4匹のトイプードル達がいます。
元気いっぱいでとてもかわいいのですが、4匹もいると大変なこともあります。

ワンちゃん達は普段、家の中を自由に歩き回っています。
以前は入ってほしくないところにも出入りしてました。
そこで家を建てるにあたって、ワンちゃん達に入ってほしくない場所に建具をつけました。
最後に使用している様子の動画を貼り付けてありますので、
そちらも是非ご覧ください。

キッチンにはワンちゃん達が興味を持つものがたくさんあります。
いたずらをしないように引き戸をつけました。
開けていると流し台脇の腰壁と一体となり、閉めると壁が引き延ばされたように見えます。
閉めた時に扉は先端のマグネットで固定され、ワンちゃんには簡単に開けられません。

キッチンの引き戸

キッチンの引き戸

A邸には和室がないため、リビング・ダイニングの一角に一畳ほどの仏壇コーナーを設けています。
閉鎖的な空間にならないように、たて格子で緩やかに仕切りました。
その仏壇コーナーには、ワンちゃんがお供え物等を触らないように仕切り壁と同様のたて格子の引き戸をつけました。
ここはデザイン上、キッチンのように腰までの高さではなく、ドアの高さにしています。
目線は遮っても完全に隔てないように、また、お仏壇の和の雰囲気にも寄りそうように、
同じ高さのたて格子がL字に続くデザインとしています。

仏壇コーナーのたて格子引戸

仏壇コーナーのたて格子引戸

来客やお留守番の際に一時的に入ってもらうドッグコーナーも階段下に設けました。
リビング・ダイニングの脇に書斎コーナーを設け、その奥を秘密基地のような空間のドッグコーナーにしています。
十分な広さがあるので、4匹一緒に過ごすことができます。

階段下のドッグコーナー

階段下のドッグコーナー

ワンちゃん達のトイレコーナーは家族のトイレの隣に用意しています。
トイレシートなどがたっぷりしまえる収納の下部に、
ワンちゃんが入れてトイレトレーが置ける広さの空間を設けました。

奥が家族用、その隣が犬用トイレコーナー

奥が家族用、その隣が犬用トイレコーナー

床や壁の材料は、人にもワンちゃんにも優しい自然素材にしています。
床はクリの無垢フローリングで、ワンちゃんも歩きやすいものです。
ワンちゃん達も家族と一緒に快適な生活を送っていただければ良いなあと思います。

越澤

川口市A邸-18(雨樋)

A邸は設計を進める上で、いくつかポイントとなる点がありました。
引き渡しも済みましたので、少しずつご紹介していこうと思います。

屋根の断面形状が「へ」の字の招き屋根になっているため、雨が降ると
屋根の雨水は約8割が建物正面方向へ向かって流れます。
その雨水は軒樋(軒先の雨樋)から両側の竪樋(軒先から地上をつなぐ雨樋)
を伝って排水されます。

側面から見た外観

側面から見た外観

正面から見た外観

正面から見た外観

正面に向かって左側は一般的なパイプ状の竪樋ですが、
軒先まで袖壁を出しているので目立たなくなっています。
この壁はバルコニーの〈隣地からの目隠し〉や〈西日を遮る日除け〉にもなっています。
正面に向かって右側の竪樋は鎖樋です。鎖樋は日本で古くから使われており、
さまざまな形状がありますが、今回は小さなカップが連なったようなシンプルな形状のものを使用しています。

2階のバルコニーから鎖樋を見る

2階のバルコニーから鎖樋を見る

よく見ていただくと、軒樋が屋根のケラバ(屋根端部のうち、軒樋が付いていない側)
より突き出した先に鎖樋が垂れ下がっているのがお分かりになるかと思います。
これは、玄関周りの動線の邪魔にならないようにと、2階のバルコニーに干渉しないように配慮してあります。
また、鎖樋を建物本体から離すようにして、デザイン的にスッキリとした印象になることも意図しています。

鎖樋はパイプ状の竪樋とは違い、雨水が流れていく様子を目で見て・耳で聞いて楽しむことができます。
下の動画にて鎖樋の雰囲気を少し感じられるかと思います。是非、音と共にご覧ください。

鎖樋が雨水を地上へ導く様子は、見ていてとても心が落ち着きます。
機能的にはもちろん、デザイン的にも雰囲気をつくるうえでも、この鎖樋は大きな役割を担っていると考えています。

越澤

川口市A邸-17(引き渡し)

川口市A邸が完成し、引き渡しが無事に終わりました。
工事が終わった後、傷や汚れがないか・建具や設備は正常に動くかなどを
お施主様と共に確認をし、引き渡しとなります。
職人さんや工務店の方々のお陰で、とてもきれいな仕上がりでした。

お施主様は「優しい印象の美しい家になりましたね」と仰ってくださいました。
素敵なお施主様に巡り合えて、感謝の気持ちでいっぱいです。
この家で気持ち良く暮らしていただければ良いなあと思っています。

黒い鎖樋や階段手摺がアクセントの外観

黒い鎖樋や階段手摺がアクセントの外観

斜めに落ちる袖壁は隣地との視線を遮る

斜めに落ちる袖壁は隣地との視線を遮る

屋外とも緩やかにつながるリビング・ダイニング

屋外とも緩やかにつながるリビング・ダイニング

室内に差し込む日が木の陰を壁に映し出す

室内に差し込む日が木の陰を壁に映し出す

障子や間仕切り戸を閉めると落ち着いた雰囲気に

障子や間仕切り戸を閉めると落ち着いた雰囲気に

キッチン奥の窓からもきれいな緑が見える

キッチン奥の窓からもきれいな緑が見える

しばらくしたら工事完了直後の竣工写真をホームページに掲載しますので、
よろしければ是非ご覧ください。

越澤

川口市A邸-16(左官壁)

満開の桜の中、左官壁の打合せをしました。
A邸はリビング・ダイニングの壁が左官仕上げです。

塗り方をどのようにするか、左官屋さんに試し塗りをしてもらいながらお施主様と相談します。
コテむらの加減をお施主様にご覧いただいて、少し波打つようなさっぱりとした感じの塗り方で進める事としました。
左官の面積が広くなると色は明るく見えます。白っぽい壁をイメージして設計しているのですが、実際には少し茶色い漆喰にしています。
部屋の雰囲気にも良く合い、とてもきれいな仕上がりになりました。

 

楽しみにしていた桜は、想像以上に見事でした。
1階リビング・ダイニングの大きな窓からも、2階のバルコニーからもゆっくり見ることができます。

打合せの合間に、贅沢なお花見ができました。

越澤

川口市A邸-15(天井仕上)

足場の撤去が終わり、室内の木製天井も全て張り終わりました。
着々と完成に近づいています。

1階のリビング・ダイニングの天井は米スギの羽目板張りです。
屋内の天井は屋外の軒天井と高さも材料も同じにしているため、大きな窓越しに外の空間とゆったりつながります。

1階リビング・ダイニングの窓際

1階リビング・ダイニングの窓際

階段の天井もリビング・ダイニングと同じ羽目板張りです。
裏方の印象にならないよう緩やかなカーブのかかった天井にしています。
ただの通路ではなく、楽しい雰囲気の階段になりました。

階段のカーブがかかった天井を見上げる

階段のカーブがかかった天井を見上げる

2階の寝室はラワン合板張りに塗装を施しています。
窓から見える外の景色とラワンの木目が良く合い、心地の良い開放的な空間になっているように思います。
木の手摺が道路への視線を妨げるので、落ち着いて外の景色を楽しめます。

2階南側の寝室

2階南側の寝室

2階北側の寝室

2階北側の寝室

完成形がより一層見えてきました。
気持ちを新たに取り組んでいこうと思います。

越澤

川口市A邸-14(外部仮設足場撤去)

建物の外部工事がほとんど終わったので、仮設足場の撤去が始まりました。
大まかな外観がようやく見えてきました。
軒天井とバルコニーの手摺の色合いも良く、木の印象が楽しい外観になったと思います。

外壁は前回のブログでも紹介した通り、サイディングの上に吹付塗装をしています。
サイディングを取り付けた際に出る釘のくぼみ部分を、パテというもので一つ一つ丁寧に埋めてから吹付塗装を施してあるため、仕上がりに釘のくぼみは全く見えてきません。
塗装屋さんの丁寧な対応のかいあって、少し目地が見えてくるだけのきれいな仕上がりになりました。

吹付塗装済みの外壁

吹付塗装済みの外壁

今まで養生用のネット越しに見ていたバルコニーからの景色は、思った以上に開放的でとても良いものになったと改めて感じました。
建物正面の並木は桜の木なので、春になると良いお花見スポットになりそうです。

2階南側の寝室からの景色

2階南側の寝室からの景色

2階バルコニーの景色

2階バルコニーの景色

越澤

 

川口市A邸-13(外壁工事)

外壁の下地となるサイディングを張り終わりました。

サイディングは透湿防水シートの上に設けた胴縁に固定します。
透湿防水シートとは、雨などの水は通さずに壁内で発生した湿気を通すシートです。
細長い木材でできた胴縁は、透湿防水シートとサイディングの間に空気が流れる層をつくるために入れています。
壁内で発生した湿気は透湿防水シートを通り、胴縁によってできた通気層越しに外部へ排出されます。このようにして湿気を壁の中に溜めないようにし、カビの発生や断熱性能の低下を防ぎます。

A邸の外壁はこのサイディングの上に吹付塗装をするため、仕上がりにサイディングの目地(継ぎ目)が見えてきます。
縦と横の目地がきれいに見えるように、外壁に出てくる設備と目地の位置を事前に検討しました。
窓や排気口のベントキャップなどとサイディングの目地を揃えることによって、仕上がりに目地が見えてきても外観のデザインを損ねません。

2階のバルコニーには目隠しの袖壁があり、外壁の仕上げそのままで下端は斜めになっています。
斜め部分の納まりが難しいため現場でも打合せをし、最終的には役物(コーナー用のサイディング)できれいに納めていただきました。

サイディングがきれいに張られたので、仕上がりの良い外壁になると思います。

越澤

川口市A邸-12(階段)

階段が入りました。段鼻の細い溝はすべり止めの溝です。
階段下はワンちゃんのスペースになる予定です。

階段の1段目は平面的に斜めに玄関へ面しているため、階段へのアプローチがスムーズになっているように思います。
大工さんの丁寧な施工のお陰で、きれいな階段になりました。

越澤

川口市A邸-11(内部下地工事)

内部の下地がほぼ組みあがり、設備の配線や配管を進めています。
天井高さや間仕切り壁の位置が明確になるので、生活する空間のイメージがより分かりやすくなりました。

IMG_7854(小)

1階の大きな窓のついたリビング・ダイニングは天井を羽目板張りにします。
その天井とほぼ同じ高さでテラスの軒天井にも同じ羽目板を張るため、大きな窓越しに室内と同じ木の天井が外まで続いて見えるデザインです。
心地よく外とのつながりを感じられる空間になりそうです。

1階リビング・ダイニングの窓際

1階リビング・ダイニングの窓際

2階の寝室は1階とは違う素材の板張りの予定です。
南側の部屋の窓からは空が良く見えるので、1階とは違った雰囲気の開放感があります。
北側の部屋の天井には勾配を付けてあり、2.5帖の専用バルコニーまであるので、
北側の暗い印象はなく、少し特別な感じがする空間です。

2階南側の寝室

2階南側の寝室

2階北側の寝室

2階北側の寝室

これから屋根や外壁などの外部工事も進んで行き、その後に足場が外れます。
窓から足場のない外の景色を見るのが待ち遠しいです。

越澤

川口市A邸-10(金物検査)

金物検査に行ってきました。
私と構造設計事務所の担当者さんと現場監督さんとで全体を見て回り、図面通りに金物が入っているかを確認します。
上棟した時と比べるとずいぶんたくさん構造材が入ったので、部屋の区切りがよりはっきりわかるようになってきています。

柱、梁、筋交が交わる部分に金物が入ります

柱、梁、筋交が交わる部分に金物が入ります

柱、梁、筋交が交わる部分に金物が入ります

柱、梁、筋交が交わる部分に金物が入ります

柱と柱の間に斜めに入っている材は筋交です。筋交は、決められた間隔で立てた柱と上部の梁の間に入れることによって構造を補強し、地震や風圧などで建物が変形しないように耐えるためのものです。
A邸では、部屋の真ん中に柱や壁のない広いリビング・ダイニングをつくるため、筋交の他に構造用合板でも補強して建物を強くしています。

構造用合板が張られた内壁

構造用合板が張られた内壁

また、外壁下地にも地震に強い板材を張っています。
この板材は地震に強いだけでなく、火災やシロアリにも強いとの事です。さらに透湿性があるので壁の中が結露せず、カビが生えにくいそうです。

アルミサッシも取り付けられ、ぐっと家らしくなってきました。
1階には大きな窓があり、1枚が4尺×8尺の大きさです。高い性能のガラスを入れているため1枚がとても重く、大人4人がかりでやっと運び入れたそうです。

2階のバルコニー

2階のバルコニー

バルコニーの床の排水勾配がきれいに施工されていたりと、ところどころに大工さんの丁寧な仕事ぶりが見られ、良い家になりそうで楽しみです。

越澤