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世田谷区K邸リフォーム-3(どのような能力が作り手に求められるか)

リフォームと新築とでは、設計の進め方が異なります。そのため、建築家に求められる能力もまた異なるように思います。
リフォームでは、既存家屋がどのように作られたのかを把握する事が大切です。築年数が経っている場合は、古い建て方を理解している必要もあります。どのように作られたのかを知るためにも、そこにどのように手を加えることが出来るのかを判断するためにも、建築家には〈人の手で出来る作業に対する知識や感覚〉が求められます。そして、それをデザインとして昇華する能力もまた求められると思います。

ダイニングから見た配膳カウンター

工務店さんに求められる能力もまた同様です。とりわけ〈いつもとは違う臨機応変な対応〉が必要になりますが、これは住宅を施工する多くの工務店さんにとって難しいように思います。工事中には、殊に大工さんにかかる負担は大きく、いつもよりも〈知識〉〈経験〉〈感覚〉が求められます。出来る事なら、リフォームする既存家屋が建てられた頃に一線級であった大工さんに面倒を見てもらいたいところです。
K邸リフォームの場合は、馴染みの工務店さんにお世話になりました。大工さんはお二人で、共に45年前には活躍をしていた70歳ほどのベテランになります。どちらも期待にたがわぬ仕事ぶりでした。

福島

川口市A邸-15(天井仕上)

足場の撤去が終わり、室内の木製天井も全て張り終わりました。
着々と完成に近づいています。

1階のリビング・ダイニングの天井は米スギの羽目板張りです。
屋内の天井は屋外の軒天井と高さも材料も同じにしているため、大きな窓越しに外の空間とゆったりつながります。

1階リビング・ダイニングの窓際

1階リビング・ダイニングの窓際

階段の天井もリビング・ダイニングと同じ羽目板張りです。
裏方の印象にならないよう緩やかなカーブのかかった天井にしています。
ただの通路ではなく、楽しい雰囲気の階段になりました。

階段のカーブがかかった天井を見上げる

階段のカーブがかかった天井を見上げる

2階の寝室はラワン合板張りに塗装を施しています。
窓から見える外の景色とラワンの木目が良く合い、心地の良い開放的な空間になっているように思います。
木の手摺が道路への視線を妨げるので、落ち着いて外の景色を楽しめます。

2階南側の寝室

2階南側の寝室

2階北側の寝室

2階北側の寝室

完成形がより一層見えてきました。
気持ちを新たに取り組んでいこうと思います。

越澤