タグ別アーカイブ: レースカーテン

世田谷区K邸リフォーム-9(どのようにインテリアコーディネートをするのか ①)

リフォーム案を検討し始めた頃から、インテリアコーディネートのイメージについて伺う事が多かったように思います。
インテリアデザインを進めながら、まずは要望に合った家具や照明器具を思い起こし、次に他の候補がないかとインターネットで調べます。いくつか選んで提案をして、打合せをしながら候補を絞ります。その後にショールームで現物を確認して、インテリアコーディネートを決める流れです。

リビングのレースカーテンと影

カーテンについては、スイスのファブリックブランドであるフィスバさんのものを希望されていました。インテリアデザインを検討する中で、漠然と青など寒色系のカーテンが良いのではないかという話しになります。ホームページで目星をつけてからショールームに行き、いろいろなカーテンを眺めてみました。フィスバさんは親身になって相談にのってくれるので、楽しく前向きに検討が進みます。まずはリビング・ダイニング用に、刺繡が綺麗な〈藍色〉のレースカーテンを選びました。それに合わせてドレープカーテンは光沢のある〈水色〉にしました。娘さんは、入り口近くに展示してあった〈焦げ茶色と白色のグラデーション〉が美しいレースカーテンに一目惚れをします。夫婦の寝室に合いそうだという話しになりました。ドレープカーテンはアクセントクロスの色として考えていた〈浅紫色〉に合わせました。
レースカーテンの検討では、柄の位置を見て生地の使う範囲を決めていきます。施工済みの窓の位置を娘さんご夫婦に現場で確認していただいた後に、改めてショールームを訪れて加工寸法を決めました。気になるラグやクッションなどもあり、その後も数回にわたってショールームを訪ねる事になります。

寝室のカーテン

ソファについては、まずカウチソファの使用を提案しました。リビングをくつろげる空間にしたいと考えていたので、寝そべりながら使えるカウチソファが適しているように思えました。
娘さんは、忙しい仕事の合間を縫って家具ブランドのAREAさんに足を運び、気に入ったものを見つけました。変形したL字型の革製カウチソファです。私からL字型のものをいくつか提案していたのですが、より個性的でくつろいだ印象の崩した形を選ばれました。
カウチソファはある意味で場所をとるのですが、変形したL字型となると更に置き方に制約が出てくる事が考えられます。後日、私もAREAさんの店舗に何度か同行させていただきました。改めて店舗で寸法や造りを確認して、カウチソファの配置を再検討しました。娘さんは、革を好きな色に染められるところにも魅力を感じていらっしゃったようです。ソファの色決めの時点で、すでにリビング・ダイニングは寒色を活かしたインテリアにする方針としています。娘さんはご自身で色見本帳を購入して、青系の中から色を吟味して選ばれました。

変形カウチソファとコーヒーテーブル

ソファが変形したL字型となると、それに合わせるコーヒーテーブルの形に制約が出てきます。円形や丸みを帯びた三角形といった天板を使う事で、ソファに対する納まりを良くするように考えました。いくつか提案をしたのですが、なかなかご納得いただけません。ある日、娘さんから「インテリアショップのhhstyleさんで、ノグチテーブルを購入しました」と連絡を頂きました。ノグチテーブルは、ヴィトラ社から出ているイサム・ノグチによるデザインのコーヒーテーブルです。曲線で構成された木の脚部に丸みを帯びた三角形のガラス天板を載せた構成になります。ガラス天板はKさん御家族の好みではないと思っていた等もあって、それまでの提案から外していました。娘さんは、店頭に飾ってあったノグチテーブルを見て、直ぐに購入を決めたそうです。きっとその美しい姿を見て、素材の好みを超えて惹かれたのではないかと想像しています。

福島

世田谷区K邸リフォーム-7(どのようなデザインにしたのか ②)

インテリアデザインをするにあたっては、インテリアコーディネートを前提としています。とは言え、家具や照明器具などが変わっても〈その空間らしさ〉を感じられるようにしたいという想いもあります。長く我が家に愛着を持つ上で、それがとても大切なことに思えるからです。
あまり間取りを替えないリフォームであるがゆえに、空間構成や造形には〈既存の家らしさ〉が保たれます。新たなライフスタイルに相応しい〈その空間らしさ〉をデザインするには、造形などよりも〈光と色〉や〈木の質感〉を拠り所にするのが良いと考えました。

リビング・ダイニングのカーテン

カーテンへのこだわりをうかがってから、いつもよりカーテンの光をイメージするようになりました。ドレープカーテンが光を反射して色をつくる、レースカーテンが光を透かして色をつくる、天井から床までの開口部いっぱいに流れるように柔らかい布がさがっている、そんなイメージです。
いろいろな条件を踏まえて、こういったカーテンの〈光と色〉をリビング・ダイニングのデザインに活かす事としました。ショールームで実際にカーテンを見ていると、よりイメージが湧いてきます。最終的には〈水色〉のドレープカーテンと〈藍色〉のレースカーテンを選ぶことになりました。カーテンがつくる青みがかった光を美しく魅せるために、壁と天井は白い左官仕上げにしました。

夫婦の寝室のカーテン

ショールームには素敵なカーテンが並んでいます。娘さんが一目惚れしたレースカーテンを、ご夫婦の寝室に入れる事になりました。焦げ茶色と白色のグラデーションが美しいレースカーテンです。寝室に相応しく光を抑える質感となっています。ドレープカーテンはアクセントクロスの色として考えていた〈浅紫色〉に合わせました。アクセントクロスと共に沈んだ色の光を反射して、落ち着いた雰囲気をつくります。

福島