江戸川区K邸の配筋検査をしました。
配筋検査とは‘鉄筋コンクリート造の鉄筋が設計図通りに配置されているか’などをコンクリート打設前にチェックする作業です。一般的な木造住宅の基礎は鉄筋コンクリート造の事が多く、家を建てるときには必ずと言っていいほど配筋検査をします。配筋検査をするのは建築家(私)と構造家です。とても丁寧に仕事を進める現場監督さんなので、手直しなどの指摘をする事も無く検査は終わりました。
写真の水色に立上った壁のようなものは基礎の断熱材です。K邸の基礎は外断熱です。一般的には、木造住宅の基礎を外断熱にする必要はありません。一階の床下に外気が流れるようにして、床の裏面に断熱材を入れる方法が多くみられます。一階の床下は屋外環境と同じだとみなして、一階の床から上が室内環境だという考え方にもとづいた方法です。K邸の基礎をこのような一般的な方法にしないのは、一階の床下空間をつくらないためです。床下空間がないので、一般的な断熱方法には出来なくなります。では何故、床下空間をつくらなかったのか?お施主さんがこれから年齢を重ねるに当たり、玄関やリビングのはき出し窓と外部の間に段差を設け無い事で、杖や車いすでも家への出入りが楽にできるバリアフリーに配慮した家とするためです。床下空間をつくらないと、基礎のコンクリートが室内空間に面する事になります。鉄筋コンクリート造は外気温の影響を受けやすいものです。K邸のように基礎が室内に面していると、例えば基礎の外側が冷やされると基礎の内側まで冷たくなって、建物の中の温度を落としたり内壁に結露をおこしたりします。そういった事が無いように、基礎に外気の影響が少なくなる外断熱にしています。
きちんと設計して、きちんと監理して、しっかりとした配筋が出来たので、良い基礎工事になると思います。
福島